以下のように教育カリキュラムの検討を行い、シラバスの素案を作成した。
<授業目的>
深層防護の考え方を良く理解し、特に第4層、第5層に関わるシビアアクシデントの基礎的知識を身につける。シビアアクシデント事象進展の簡易予測計算(手計算による演習)、シビアアクシデント解析コードを用いた実習を行い、シビアアクシデントの解析評価や影響緩和対策を理解する。また、原子力の安全規制の素養を身につける。
<授業内容>
第1回 : 深層防護の考え方1
第2回 : 深層防護の考え方2
第3回 : 異分野横断セミナー
第4回 : シビアアクシデントの概要1
第5回 : シビアアクシデントの概要2
第6回 : 原子力発電所安全設備
第7回 : シビアアクシデント演習1
第8回 : シビアアクシデント演習2
第9回 : シビアアクシデント実習1
第10回: シビアアクシデント実習2
第11回: シビアアクシデント実習3
第12回: 異分野横断セミナー
第13回: 原子力規制1
第14回: 原子力規制2
第15回: 見学(発電所など)
深層防護の考え方(第1回~第2回)
深層防護の概念や防護レベルの考え方の説明を行う。また、深層防護の実装方法や実装例を説明し、深層防護の実装演習として、他産業における深層防護の各レベル、実装事例に対する考察する。
異分野横断セミナー(第3回,第12回)
外部から原子力規制に関わりのある有識者を招いて通常学ぶことができない最新知見を紹介してもらう。
シビアアクシデントの概要(第4回~第5回)
シビアアクシデントの定義や起因事象、物理・化学的現象、事故シーケンスなどシビアアクシデントの概要、過去の事例として、福島第一原子力発電所事故の詳細を理解する。
原子力発電所安全設備(第6回)
工学的安全設備や原子炉補助施設、タービン設備、電気設備といったプラント機能や全体構造などの基礎知識を身につける【現象論】。
シビアアクシデント演習(第7回~第8回)
典型的なシビアアクシデントの事象進展シナリオおよびモデルを用いて、簡易予測計算を行う【手計算】。また、シナリオや結果に対する議論する【グループディスカッション(協働)】。
シビアアクシデント実習(第9回~第11回)
シビアアクシデント解析コードを用いて、深層防護の第4層、第5層に関わる炉心損傷事象と格納容器破損事象に関する解析実習を行う。シビアアクシデントの解析評価や影響緩和のための感度解析を実施する【MAAPのモデルの理解】【感度解析等】。
原子力規制(第13回~第14回)
新規制基準や原子力災害対策(EAL含む)について学び、今後の原子力の安全について議論する【グループディスカッション】。
見学(第15回)
原子力の関連施設を見学する。