附属国際原子力工学研究所では、令和5年11月25日(土)にレジリエント社会・地域共創シンポジウム『日本一の原子力立地 福井県における防災危機管理XI』を開催しました。
このシンポジウムは、東日本大震災・福島第一原子力発電所事故を契機に、一般社団法人国立大学協会との共催により、原子力防災への意識向上を目的に平成24年度から防災・日本再生シンポジウムとして一昨年まで開催してきたものを「レジリエント社会・地域共創シンポジウム」として再開したものです。
今回は、一昨年、敦賀市と連携して実施した原子力防災に対する市民の意識調査において、2013年に実施した調査結果と比べ、原子力防災への関心が薄れてきている傾向がみられ、防災意識の強化という課題が明らかになったことを受けて「原子力防災の現在」を主テーマとし、原子力防災意識の向上を目的として再開したもので、会場参加とオンラインのハイブリッド方式で開催し、70名の方に聴講いただきました。
まず初めに本学末理事から開会挨拶をいただいたあと、内閣府技術参与で当研究所参与の野島久美惠氏に「原子力防災の現在・大学への期待」について、敦賀市立看護大学教授の山﨑加代子氏に「放射線の知識を備えた看護職の育成」についてご講演いただきました。野島氏からは制度整備や緊急時対応の策定・改定の取り組みなどをご紹介いただき、専門知識を持った人材の原子力防災行政の参加等大学の人材育成への期待が寄せられました。山﨑氏からは放射線の正しい知識を備えた看護職者がいろんな方と連携、協働し活躍できることや敦賀看護大学の取り組みを紹介いただきました。
第2部では、当研究所原子力防災・危機管理部門長の安田仲宏教授から東日本大震災・福島第一原子力発電所事故から12年の間に進んだこと、これからも取り組まなければいけないこととして次世代の育成等について講演がありました。次に令和5年10月に実施された福井県原子力防災総合訓練を見学・参加した医学部附属病院高度被ばく医療支援センター副看護師長、看護師および工学部機械・システム工学科、大学院工学研究科のそれぞれ原子力安全工学コース学生2名から当日の様子や感想などの報告があり、原子力防災総合訓練の様子や課題を共有しました。
聴講者の方から貴重なご意見・ご提案をいただく機会にもなり、大変有意義なシンポジウムとなりました。
シンポジウム開催経緯説明
講演1 原子力防災の現在・大学への期待
講演2 放射線の知識を備えた看護職の育成
講演3 原子力防災の現在・次世代の育成
講演4 福井県原子力防災総合訓練を見学して
講演5 福井県原子力防災総合訓練を見学して
講演6-1 福井県原子力防災総合訓練に参加して
講演6-2 福井県原子力防災訓練に参加して
講演7 「もんじゅ」サイトの新試験研究炉を見据えた人材育成(附属国際原子力工学研究所 宇埜所長)