令和7年度 レジリエント社会・地域共創シンポジウムを開催しました
附属国際原子力工学研究所では、2025年12月20日(土)、令和7年度レジリエント社会・地域共創シンポジウム『日本一の原子力立地 福井県における防災危機管理XIII 原子力災害医療の現状』を開催しました。
本シンポジウムは、原子力災害が発生した際の医療体制や防災の取組について、専門家、自治体関係者、学生などが情報を共有し、理解を深めることを目的として開催したものです。当日は会場参加とオンラインのハイブリット方式で開催し、72名の多くの方にご聴講いただきました。
はじめに、本学の米沢理事より開会挨拶がありました。続いて行われた講演では、国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所 被ばく医療部長の富永隆子氏から、日本における原子力災害医療の仕組みや、医療従事者を育成するための研修について、分かりやすく解説していただきました。次に、本学医学部附属病院 高度被ばく医療支援センター長の小淵岳恒教授より、今年度開設された高度被ばく医療支援センターの役割や、原子力災害時における対応について紹介がありました。
後半では、福井県原子力総合防災訓練を見学した防衛大学校の学生から、訓練を通して感じたことや、今後の防災に生かすべき点について報告がありました。若い世代の率直な意見は、参加者にとって印象深いものとなりました。また、新潟県柏崎市および鹿児島県薩摩川内市の防災担当者からは、それぞれの地域で行われている原子力防災の取組について紹介があり、地域の実情に応じた工夫や課題が共有されました。
最後に、シンポジウムの司会を務めた附属国際原子力工学研究所の安田仲宏教授より、原子力災害時における屋内退避や避難の考え方について解説がありました。併せて、特に若い世代の方々に、どのような行動が求められるのかを分かりやすく伝える動画も上映され、参加者が改めて考える機会となりました。
各講演後には質疑応答の時間が設けられ、参加者から多くの質問や意見が寄せられるなど、原子力災害医療と防災について理解を深める有意義なシンポジウムとなりました。閉会にあたっては、附属国際原子力工学研究所長の宇埜正美より挨拶があり、シンポジウムは盛会のうちに終了しました。
国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 放射線医学研究所 被ばく医療部長 富永隆子氏
本学医学部附属病院 高度被ばく医療支援センター長 小淵岳恒教授
附属国際原子力工学研究所 安田仲宏教授


