【課外授業】~2015年度~

【課外授業】~2015年度~
今の福島から学ぶ - 福島と福井をつなぐ医工連携・学生の輪

 本事業は、草の根NPO等団体の活動を支援する事業(事務局:一般財団法人 日本立地センター)により支援を受け実施しています。
 

概要

 東日本大震災以降に現地で活動した福井大学教員が集まり、平成25年2月より開始した集中講義「東日本大震災をどう考えるか」をきっかけに協力し、大学での教育のほか、学生や協力者を募る形で被災地などでのイベントを進めています。この活動は、その一環で行っています。
 

目的・趣旨

 福島において避難解除された後に帰還されている方々や支援活動をする関係者の方々の話を聞き、放射線測定などの貢献をしながら、今後継続的にどのようなサポートが必要かを学びます。福井においては、研修の状況を学生が取りまとめ、大学の場で一般の方々などに伝え、支援の輪を広げようとする取組み。
 

テーマ

 【貢献しながら学ばせていただく】を合言葉に、将来、原子力を担う学生や地域の防災を担う学生が「今の福島」から学んだことを、原子力立地の福井の方々と共有する。
 
福島と福井をつなぐ医工連携・学生の輪  

福島県川内村での活動予定

  • 長崎大学川内村復興推進拠点の見学
  • 双葉地方広域市町村圏組合消防との懇談と施設見学
  • 震災後から現在の状況について傾聴するお宅訪問
  • 住民ニーズに応える放射線計測
  • 福島大学学生との交流 など

 

これまでの取組み状況(課外授業)

 

病院の原子力防災図上シミュレーション、敦賀原子力発電所見学

実施日:2015年 6月 8日・9日

 福井大学医学部看護学科の学生による「原子力災害シミュレーションの開発」についての講演をしていただきました。医学部災害看護専門看護師課程では、災害時に対応する学生ボランティア育成を推進しています。福井大学附属国際原子力工学研究所では、地域と連携した防災計画の策定のお手伝いをしています。この2つのグループが協働して、災害時の病院と学校のシミュレーション(図上訓練教材)の開発をすることにしました。この活動を敦賀市役所、敦賀美方消防組合に支援していただいています。
 医学部災害看護専門看護師課程はまた「福島県の子どもさんとお母さまとの遊びと語りのプロジェクト」(復興関連事業により一部を補助)を進めていて、その準備状況についての意見交換をしました。また翌日、敦賀市内の原子力発電所を見学しました。 
 

 

敦賀市役所、敦賀美方消防組合との原子力防災勉強会

実施日:2015年 7月 2日、7月 9日

 敦賀市役所危機管理対策課 鈴木原子力防災係長、敦賀美方消防組合消防本部 橋本課長補佐に講演をしていただきました。

「敦賀市の原子力防災の現状について」

 震災後の原子力災害対策指針の改定により、敦賀市の「原子力防災計画」がどのように修正されたかについて解説していただきました。また、敦賀市独自の取組みについても紹介いただきました。


「災害時の対応と実働・図上訓練の実際について」

 敦賀美方消防組合が原子力事業者に対して行う防災訓練の実際を紹介いただきました。また、図上訓練の方法論と一般の方々、学校での図上訓練の事例について教えていただきました。


 8月10日に開催される、福井県内の学校の先生を対象とした「平成27年度 防災教室講習会Ⅱ(原子力防災)」(主催/文科省、福井県教育委員会)の演習をどのように行うべきかについて議論をしました。学校における原子力災害時の訓練でポイントとなる部分を学生がグループ別に発表。原子力防災におけるチェックリストを学生自らが考案することになりました。
 

福井県内防災研修会Ⅱ(原子力)

実施日:2015年 8月 10日

 福井県内の教育指導者に向け、「平成27年度 防災教室講習会Ⅱ(原子力防災)」(主催/文科省、福井県教育委員会)が開催されました。これまでの議論に基づき、学生が考案した「原子力防災チェックリスト」を参加者全員に配布、設問で〝NO〟の回答が多かった項目を、安田教授が講演の中で説明しました。
 学生は、これまでの取組みを元に、「放射線」「PAZ圏の学校」「UPZ圏の学校」「さらにその外側の地域の学校」の別に原子力防災訓練で重要ポイントについて意見を述べました。(講演中のキーワードについて勉強会参加者に分かりやすく説明もしました。)
 

※原子力防災チェックリストご使用の際は、目的を明記の上、下記あて一報願います

連絡先:研究所事務室 担当/山田 (skatom-s@ad.u-fukui.ac.jp
  原子力防災チェックリスト回答結果  

原子力関連イベント

実施日:2015年 8月 11日

 これまでの複数の取組みを総括し、地域の原子力関連機関の方々や一般の方々に紹介し、意見をいただく機会として「原子力防災関連イベント」を開催しました。
 
 西川珠美氏(前福島大学うつくしまふくしま未来支援センター いわき・双葉地域支援サテライト担当)に「福島県川内村での活動」について講演をしていただきました。震災後から避難解除、現在に至る川内村の状況について教えていただきました(異分野横断セミナー)。
 
 活動報告会では、

  • 福井大学医学部災害看護専門看護師課程の学生による「福島県の子どもさんとお母さまとの遊びと語りのプロジェクト」の活動報告、図上シミュレーションの進捗状況についての報告がありました。作成された図上シミュレーションを展示し、触れることでどのように行うのかについて学びました。
  • 研究所 原子力防災・危機管理部門長の安田教授が、学校の原子力防災関連状況と研修会や講習会での様子について話しました。福島県川内村にて予定している活動内容について説明をしました。

 

▲西川珠美氏による講演の様子
▲福井大学医学部災害看護専門看護師課程及び看護学科学生による、福島支援の活動報告、図上シミュレーションの進捗状況説明
▲原子力防災関連イベントの様子


本イベントは、以下の事業の一環として広報活動を効率的・合理的に行うために企画しました。

  • 異分野横断セミナー: 福井県「原子力防災・危機管理」教育研究推進事業補助金
  • 福島県の子どもさんとお母様との遊びと語りのプロジェクト: 一部を復興関連事業
  • 福島と福井をつなぐ医工連携・学生の輪の活動: 草の根NPO等活動支援事業
  • 福井大看護学科による原子力災害における病院図上シミュレーション: 授業カリキュラムの一環
  • 学校の原子力防災研修: 福井大学COC推進機構 地(知)の拠点整備事業