異分野横断セミナー(2016年度)

第87回(2017/2/9)

 “Nuclear Energy: IAEA Assistance to Member States” (同時通訳)
Dr. Mikhail Chudakov 氏(Deputy Director General, and Head of the Department of Nuclear Energy, IAEA.

【紹介】
 ミハイル・チュダコフ博士(IAEA事務次長)に、原子力に関するIAEAの加盟諸国への支援を主要テーマに講演いただきます。講演は同時通訳付きで行われ、主要テーマのほか、世界の原子力事情、国際機関における学生への期待についてもコメントをいただくこととしています。皆様のご参加をお待ちしております。

第86回(2017/1/18)

 「複合型光ファイバーの医療応用」
岡 潔氏 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構
(福井大学附属国際原子力工学研究所 客員教授)

【紹介】
 岡潔先生は核融合炉でのメンテナンスロボットや原子炉事故時に役立つロボットの開発に携わってこられました。現在では、ロボット技術開発から生まれた光ファイバ技術を医療分野へと展開し、レーザー外科手術機能を併せ持つ光ファイバ内視鏡として、多くの人命を救うことに繋げておられます。このセミナーでは、これまでの先生のご経験をもとに、原子力研究、特にロボット開発から光医療へと分野を展開されてこられた経緯や最先端の現状や今後の展望について、ご講演頂きます。

第85回(2016/12/12)

 “Utilize the TRIGA fuel elements in a subcritical configuration for training and education, and research and development” (English).
Julius Federico JECONG氏(フィリピン原子力研究所 原子力研究部, フィリピン)

“Investigation of Biosphere Model in Safety Assessment of Radioactive Waste Disposal” (English).
Azmi IBRAHIM氏 (マレーシア原子力庁 廃棄物技術開発センター, マレーシア)

“Study on Radioactive Waste Management Scenario of Post-Accident Fukushima Daiichi NPP” (English).
Ong Quang Dong 氏(ベトナム原子力研究所, ベトナム)

第84回(2016/11/25)

「津波のメカニズムとシミュレーション」
 井上 修作氏(株式会社竹中工務店 技術研究所 主任研究員)

【紹介】
 福井県出身。1999年東京工業大学土木工学科を卒業し、同年同大学人間環境システム専攻へ進学、2003年に博士後期課程を中退、同年同大学教務職員に着任。大学時代は、大町教授(現東工大名誉教授)の元で、地震工学、特に地震動や津波の研究を実施。2011年に株式会社竹中工務店に転職、技術研究所にて研究活動に従事、現在に至る。
 2011年東北地方太平洋沖地震では、津波で甚大な被害が生じた。特に東京電力福島第一発電所における津波襲来は未曽有の原子力災害を引き起こした。将来の津波被害を低減させるには、他分野の方も津波をよりよく知ることが重要である。本講演では、津波のメカニズムや、東北津波の被害事例などを紹介した後、現在行われている津波シミュレーション技術について講演する。

第83回(2016/11/24)

“Research on Environment Radiation Monitoring” (英語)
Suputtra Visetpotjanakit氏(タイ原子力庁 原子力安全規制技術支援部)
 

第82回(2016/11/18)

 「欧米における最新の軽水炉安全対策の調査・分析結果について」
富永研司 氏(一般社団法人 原子力安全推進協会 (JANSI) 安全性向上部 安全総括グループ)

【紹介】
 九州大学にて原子力を専攻され、1974年に日立製作所に入社されました。日立製作所では、冷却材喪失事故の大型試験設備を用いた安全研究、非常用炉心冷却系や格納容器の設計、軽水炉の安全設計、ABWRの開発設計に従事されました。また、本社原子力事業部にて新設発電所のプロジェクト・マネージャー及び王禅寺センタ長(日立研究炉)として活躍されました。福島第一原子力発電所の事故後は、新設された原子力安全推進協会に移籍し、原子力発電所の過酷事故対策について産業界を牽引されています。
 福島第一原子力発電所の事故を振り返ると、直接的原因は大地震に伴う想定外の津波に起因する全交流電源喪失であるが、本質的な原因は深層防護の第4&5層の対策が不十分だったことです。今回のセミナーでは、深層防護とは何か、福島第一原子力発電所の事故の前後で深層防護に基づく過酷事故対策がどう変化したか、また海外発電所で具体的にどのように過酷事故対策を講じているかをご講演いただきます。福島第一原子力発電所の事故後、我国の原子力発電所では安全設備(ハード対策)が強化され、更に人的要因(ソフト対策)により想定外の事象にも対応できるよう教育・訓練がなされています。最後に、飛躍が期待される学生諸君に先輩エンジニアの熱き思いを語っていただきます。
※本セミナーは、一部を、平成28年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたします。

第81回(2016/11/17)

 「「ふげん」入社3年目の業務と資格試験対策について」
山本 耕輔氏 (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構、
バックエンド研究開発部門原子炉廃止措置研究開発センター)

【紹介】
 新型転換炉「ふげん」は平成20年より原子炉廃止措置を実施しており、国内の廃止措置において先進的な役割を担っている。
今回のセミナーでは、山本氏が業務を通じて得た「ふげん」運転時の実績及び現在の廃止措置状況について紹介いただくとともに、入社以来習得してきた第一種放射線取扱主任者及び核燃料取扱主任者の試験概要及び試験対策についても紹介する。

「博士(後期)課程進学~私が歩んできた道で出逢った研究者~」
中森 文博氏(大阪大学大学院 工学研究科)
【紹介】
中森氏は、福井大学附属国際原子力工学研究所にて博士前期課程を修了した。現在は、大阪大学大学院工学研究科の博士後期課程にて燃料デブリやMCCI生成物の物性の研究を行っている。本発表では、博士後期課程の日常から海外での研究活動に関して発表する。そして他の分野の研究者達の紹介を行い、博士課程に興味を持って頂いたり、更には自分なりの新たな道を思い描いてもらえれば幸いである。

「「学生」と「職員」、それぞれの観点から見た原子力行政について」
四方 章仁氏(福井県 安全環境部 原子力安全対策課)
【紹介】
福井県は、昭和45年に国内2基目の原子力発電所が運転を開始して以降、事業者とともに、多くの発電実績・トラブルに関する経験を蓄積してきた。また、福島第一原子力発電所事故後は、平成24年の大飯3、4号機再稼働や今年の高浜3、4号機再稼働に資するなど、大きな役割を担っている。本セミナーでは、四方氏が原子力行政に興味を持った経緯、これまでの業務内容、就業前後の考え方の変化等について紹介する。
※本セミナーは、一部を、平成28年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたします。

第80回(2016/11/11)

 「伊方発電所における基準地震動の策定 ~地質調査から地震動評価まで~」
松崎 伸一氏  (四国電力株式会社 土木建築部
地盤耐震グループ グループリーダー)

【紹介】
 早稲田大学大学院理工学研究科 修士課程(土木)をご修了後、1988年に四国電力に入社。電力土木(水力、火力、原子力)に関する設計・保守業務等をご担当されました。会社勤務29年のうち、19年間は伊方発電所の地震動評価業務に従事されました。20116年8月に再稼働した伊方発電所3号機の新規制基準適合性審査においても、基準地震動策定業務をご担当されました。学協会では、日本地震学会強震動委員会委員として活動している。近年は歴史地震に興味を持ち、慶長豊後地震津波について研究している。
 2011年東北地方太平洋沖地震における東電福島第一事故を受け、日本中の原子力発電所が運転を停止するという事態となりました。停止した発電所が運転を再開(再稼働)するためには、原子力規制委員会による新規制基準に係る適合性審査を受けた上で、地元の同意等の手続を経るプロセスが必要とされています。伊方発電所では、'13年7月に設置変更許可申請を行い、2年の議論を経て、’15年7月に許可(新規制基準合格)を得ました。本講演では、基準地震動策定にあたっての地質調査および地震動評価についてご説明いただきます。
※本セミナーは、一部を、平成28年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたします。

第79回(2016/11/4)

 「原子力発電所の緊急時環境影響評価システム及び福島事故における当社の対応について」
斯波 宇司氏(日本エヌ・ユー・エス株式会社 安全・環境解析ユニット 上級コンサルタント)

【紹介】
 東北大学で原子核工学(修士)を修了後、1982年4月に日本エヌ・ユー・エス株式会社に入社。以来、原子力発電所の確率論的リスク解析(PRA)のレベル3計算コードである米国のCRAC2を我が国のサイトに適用した確率論的事故影響評価作業に従事するとともに、その後継コードであるMACCS/MACCS2の使用経験を積み重ねる。関連して、原子力施設に対する航空機落下確率評価、リスク論に基づく外部コスト評価など原子力発電所のリスク評価分野の業務を担当。その後、原子力発電所の緊急時環境影響評価システム(DIANA/AREDES)の我が国のサイトへの導入・保守作業の経験を積み、現在,福島事故の経験を反映した改良版の開発と導入作業等の業務に従事している。日本原子力学会標準委員会、リスク専門部会 レベル3PRA分科会委員。 本セミナーでは、原子力発電所の緊急時環境影響評価システム(DIANA/AREDES)の開発経緯、導入実績等とともにシステムの概要を紹介いただき、福島第一原子力発電所の事故当時、本システムに関連して実施した対応状況等について紹介をいただきます。

第78回(2016/10/20)

 “Controlling radiation safety in radiopharmaceutical producing and maintaining process at 30MeV cyclotron center-Tran Hung Dao hospital –Vietnam”
Bich Thi Ngoc DOAN氏(チャン フン ダオ病院, ベトナム)

“Nuclear Data Research Activities at the Dalat Reactor”
Pham Ngoc Son氏(原子力研究所 原子力科学・電子工学センター, ベトナム)

“Utilize the TRIGA fuel elements in a subcritical configuration for training and education, and research and development”
Julius Federico JECONG氏( フィリピン原子力研究所 原子力研究部, フィリピン)

“Study on Radioactive Waste Management Scenarios of Post-Accident Fukushima Daiichi NPP”
Quang Dong ONG氏(ベトナム原子力研究所, ベトナム)

“Scenario Analysis for Safety Assessment of Radioactive Waste Repository by Using GoldSim”
Azmi IBRAHIM氏(マレーシア原子力庁 廃棄物技術開発センター, マレーシア)

第77回(2016/9/12)

 “Thermal conductivity of Al2O3 with various density and grain size” (英語)
Raphaël Laurent Bailleux氏(福井大学 工学研究科 特別研究学生)
【紹介】
 燃料によって重要な物性である熱伝導度は、物質の粒径および密度に依存する。本研究ではAl2O3を用いて様々な粒径の試料を作成し、その熱伝導度の粒径依存性を調べた。本セミナーにて詳細を報告する。 ※本研究は「EUJEP 2:東京電力福島第一原子力発電所事故後の原子力に関する教育と訓練における欧州・日本交換プロジェクト」の支援を受けて実施した。

“Self Introductions and Research plan” (英語)
Suputtra Visetpotjanakit氏(タイ原子力庁 原子力安全規制技術支援部)
【紹介】講演者はタイ原子力庁 放射線モニタリンググループに所属し、約5年間、原子核化学を専門として活動してきた。福井県国際原子力人材育成センター/若狭湾エネルギー研究センター/ (FIHRDC,WERC)に支援された「海外研究者・研究生受け入れ制度」を利用して、平成28年9月より福井大学附属国際原子力工学研究所に滞在し、環境放射線モニタリングについて今後5ヶ月間研究を実施する。このプログラムでは福井県と海外の研究者/研究所間において原子力エネルギー研究に関するネットワークを構築することを目的としている。

第76回(2016/8/19)

 「PHITSの概要とその応用 ~DNAから地球スケールまで~」
佐藤 達彦 氏(日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター
環境・放射線科学ユニット 放射線挙動解析研究グループ)

【紹介】
 佐藤氏は、広範なエネルギー範囲の各種の放射線を扱う汎用の粒子・重イオン輸送計算コード(PHITS)の開発およびその多分野での応用研究を中心的に進めておられます。その有用性を検証、展開されてきた方でもあり、広い分野に深い知見をお持ちです。また最近では、世界で初めて、天頂角分布までを考慮した大気圏内の宇宙線フラックスが計算できるように改良され、宇宙線による被ばく線量や電離量計算、ミューオンラジオグラフィや宇宙放射線検出器の設計などにも応用可能となりました。原子力・放射線分野でPHITSがどのような分野に活用されているかについてもお話しいただきます。当研究所でも、このような計算コードを自由に扱うことのできる人材を育てたいと考えています。

第75回 (2016/7/29)

 「Fe-Mn-Si系合金の形状記憶効果と低サイクル疲労特性」
 丸山 忠克 氏  (淡路マテリア株式会社 顧問)

【紹介】
 1960年に八幡製鉄株式会社(現、新日鉄住金株式会社)にご入社ののち、1993年に淡路産業株式会社(現、淡路マテリア株式会社)の開発部長にご着任されました。 2015年に同株式会社 顧問になられ、現在に至ります。ご専門分野は鉄鋼材料、熱間加工です。これまでに日本金属学会技術開発賞、文部科学大臣表彰・科学技術賞、日本建築学会賞を受賞されるなど、ご活躍されています。
 1982年に日本(東工大)で開発されたFe-Mn-Si系形状記憶合金は、新日本製鉄(現在の新日鉄住金)での基本的な性能調査の後、実用化の検討の中心は淡路マテリアに引き継がれてました。一方、2005年にこの合金系の中に非常に優れた低サイクル疲労特性を示すものがあることを物質・材料研究機構と竹中工務店が見いだしました。ここに淡路マテリアが加わり、新しい制振ダンパー実用化の共同開発を行ってきました。本セミナーでは、①Fe-Mn-Si系合金のユニークな性質、②形状記憶効果の活用例:クレーンレール用継目板、③低サイクル疲労特性の活用例:超高層ビルで採用された制振ダンパー、を中心にご紹介をいただきます。

第74回 (2016/7/28)

 「六ケ所使用済原子燃料再処理工場のシビアアクシデント対策の取り組み」
 宮川 俊晴氏(NPO法人放射線教育フォーラム/元 日本原燃㈱ 安全本部副本部長)

【紹介】
 東京工業大学にて原子核を専攻された後、1976年4月に東京電力にご入社、1991年に東京電力本店 原子力研究所 材料研究室副室長にご着任された後、日本原燃㈱再処理建設所 受入施設部長、東京電力本店 原子力技術部原子燃料サイクル技術センター長、日本原燃㈱ 安全技術室 放射線管理部長などをご歴任されました。2014年に日本原燃㈱ 安全本部副本部長にご着任され、2016年4月にご退職。2016年5月より現在まで、NPO法人放射線教育フォーラムでご活躍されています。
 青森県六ケ所村で10年前からアクティブ試験が実施されている使用済原子燃料再処理工場は、原子力発電所と異なり、臨界にしない状態で運転する化学工場であり、燃料ペレットを溶かすための硝酸、核分裂生成物とウランやプルトニウムを分離するための有機溶媒など、原子力発電所とは異なる安全設計概念を有します。2011年3月11日の福島第一原子力発電所の事故を教訓として、再処理工場も従来の安全設計を超えた対策を講じていくことが必要であり、再処理工場の事故の特徴に注目して、現在取り組んでいるシビアアクシデント対策の概要について本セミナーではご紹介をいただきます。

第73回 (2016/6/28)

 「COMSOL Multiphysicsを用いたNa-コンクリート反応計算」
 河口宗道氏(福井大学大学院工学研究科博士後期課程3年(JAEA))
 「Thermo-Calcを用いたナトリウムウラネートに関する計算」
 山本郁夫氏(福井大学大学院工学研究科博士後期課程3年(JAEA))
 「量子化学計算プログラムGaussianを用いたNa-水素燃焼反応の解析」
 土井大輔氏(福井大学大学院工学研究科博士後期課程3年(JAEA))

【紹介】
 文部科学省の原子力システム研究開発事業として平成25年度より行っている福井大とJAEAとの共同研究「ナトリウム冷却高速炉における格納容器破損防止対策の有効性評価技術の開発」では、JAEAから3名の方が社会人ドクターとして参加しています。本研究では公募研究の予算によりいくつかの化学計算ソフトを導入していますが、これらのソフトは公募研究終了後も福井大の教育・研究や福井大とJAEAとの共同研究などに役立てていく予定です。本日は、そのソフトを使用している3名の博士課程学生の方にソフトの紹介を兼ねた研究紹介をして頂きます。
 なお、実際のソフトの使用に関しては、学休期間の適当な時期に講習会を開催する予定です。

第72回 (2016/6/15)

 「磁気力制御を利用した環境浄化技術と有価資源のリサイクル技術の開発」
 三島史人 (福井工業大学工学部 原子力技術応用工学科 准教授)

【紹介】
 2008年に大阪大学大学院工学研究科 原子力工学専攻博士後期課程を修了、博士(工学)。2008年より同大学院工学研究科環境・エネルギー工学専攻特任研究員、2009年より同大学

第71回 (2016/5/26)

 「産学連携とイノベーション」
 犬塚隆志氏
  (文部科学省 科学技術・学術政策研究所 第3調査研究グループ総括上席研究官、
   福井大学産学官連携本部客員教授)

【紹介】
 名古屋大学大学院工学研究科 博士前期課程をご修了されたのち、科学技術庁に入庁され、 原子力安全、宇宙開発、原子力等の分野の業務に携われました。その後、内閣府政策統括官、内閣府参事官(原子力担当)付参事官補佐、文部科学省 敦賀原子力事務所長、在米国日本大使館 参事官(科学班 班長)などをご歴任され、現在は文部科学省 科学技術・学術政策研究所  第3調査研究グループ総括上席研究官としてご活躍されております。さらに現在、福井大学において、産学官連携本部の客員教授としてご活動されております。
 我が国における産学連携関連施策は、1996年の第1期科学技術基本計画において“産学官の人的交流等の促進”が盛り込まれたことにより本格的に展開されました。その後、1998年に大学等技術移転法の制定、1999年に日本版バイ=ドール条項を含む産業活力再生特別措置法の制定など、具体的に大学が有する技術を移転するための制度的な整備が進んできました。また、国立大学法人化などの大学改革、研究開発強化法の制定など、科学技術の産業への活用施策が積極的に行われてきています。さらに、近年オープンイノベーションという概念が提唱されるように、単独組織での新たな知識・技術創出の困難性から、長らく自前主義を貫いてきた民間企業において、外部からの知識の調達、外部との提携をどのように行うかは喫緊の課題となっています。
 このような取組の効果的な推進等に資するため、知的財産の社会全体での有効活用等を促進する産学連携の仕組み等の最近の調査結果について、セミナーではご講演を頂きます。なお、本セミナーは福井大学附属国際原子力工学研究所および福井大学産学官連携本部の共催として開催いたします。

第70回 (2016/4/22)

“Three-month Internship at IAEA Headquarters in Austria”
 浅原章 (福井大学大学院 工学研究科)  

「ベルギー インターンシップ@SCK-CEN」
 大平直也 (福井大学大学院 工学研究科)

「ドイツカールスルーエ工科大学/三か月間の留学で得られたもの」
 高橋純平 (福井大学大学院 工学研究科)

【紹介】
 平成27年度に、博士前期課程の浅原章氏*、大平直也氏**、高橋純平氏***は海外の原子力分野の研究機関にて短期留学・研修を行ってきました。今回のセミナーでは、留学先での研究成果や、留学先で起こった出来事とその対処、今回の活動を通じて得たことなどについて紹介していただきます。学生の皆さんにはぜひとも聴講していただき、海外での活動について興味を深めていただければと願っています。
 *  平成27年度文部科学省復興対策特別事業「国際原子力教育ネットワークによる戦略的原子力人材育成モデル事業」の
   助成を受けて実施。
 ** 「EUJEP2東京電力福島第一原子力発電所事故後の原子力に関する教育と訓練における 欧州・日本交換プロジェクト」の
   助成を受けて実施。
 ***平成27年度「国内原子力人材の国際性向上 」事業 に係る留学支援(若狭湾エネルギー研究センター/福井県国際
   原子力人材育成センター)を受けて実施。

第69回 (2016/4/7)

「日本の原子力施設の安全の基本―内田秀雄先生と安全の確保―」
 成合 英樹(筑波大学名誉教授)

【紹介】
 東京大学をご卒業後、旧運輸省船舶技術研究所主任研究官を経て、1980年に筑波大学にご着任後、1987年に構造工学系教授(専門は熱工学)。2002年4月から同大学の名誉教授となられ、日本原子力学会会長、旧原子力安全基盤機構理事長を歴任。現在は日本学術会議の委員会等でご活躍されています。 元原子力安全委員会委員長を勤められた故内田秀雄先生は、日本の原子力発電のスタートから安全審査を中心に原子力施設の安全確保に関わってこられ、2002年時点での原子力安全の基本につき先生がまとめられた内容について本講演ではご説明いただきます。具体的には、原子力安全とは、原子力開発の基本方針、運転経験、安全規制、安全設計、耐震設計、廃棄物の処理処分、シビアアクシデント、確率論的リスク評価、安全目標等である。必要に応じ、それらの過去の経緯についてもご説明いただきます。

 

(前年度の実績はこちら)