異分野横断セミナー(2017年度)

第118回(2016/11/4)

”Causes and Consequences of Nuclear Fuel Failures and Nuclear Accidents”
レンビット・シーバー氏 (Atominstitut TU Wien: Head of Radiation Physics
EBG Med Austron GmbH: Head of Applied Medical Physics Research)

【紹介】
 レンビット・シーバー氏は、ポスドクの頃に放射線医学総合研究所にて重粒子線がん治療の粒子輸送計算・治療計画を担当しました。その後ドイツ重イオン研究所(2年)、ABB/Westinghouse Atom ABでの研究・教育経験(7年)を経て、2002年よりチャルマー工科大学の教授、2015年からオーストリアのMed Austronの応用医学物理学研究部門の部門長に就任しました。その他、多数の研究機関、大学で研究教育活動を行っています。

 

 

第117回(2018/2/20)

「福島第一原子力発電所事故後の千代田テクノルの対応について(事例紹介)」
谷口和史氏 (株式会社千代田テクノル 原子力事業本部)
 
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第116回(2018/2/19)

「原子力規制庁の研究業務とシビアアクシデント研究の概要」
深沢 正憲氏 (原子力規制庁 技術基盤グループ シビアアクシデント研究部門 企画官)
小城 烈氏 (原子力規制庁 技術基盤グループ シビアアクシデント研究部門技術研究調査官)

【紹介】
 深沢氏は、原子力規制庁 技術基盤グループ シビアアクシデント研究部門の企画官として、課内の安全研究の取り纏めなどの業務を行っています。また、小城氏は、同部門でシビアアクシデントに関わる安全研究を行っています。
本セミナーでは、原子力規制庁の各部門の業務や基盤グループで取り組む安全研究、特にシビアアクシデント研究について報告します。さらに、シビアアクシデント研究部門の若手研究職員が行っている安全研究の例として、東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所の再稼働の審査に研究職として参加した際の経験、確率論的リスク評価(PRA)を用いた新たな検査制度への研究的な側面からの取組、国際共同プロジェクトとして、東京電力(株)福島第一原子力発電所の事故進展解析に関するプロジェクトへの参画の経験、米国政府機関である原子力規制委員会(U.S.NRC)への1年間の長期派遣の経験等についても併せて紹介します。
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第115回(2018/1/24)

「複合型光ファイバーの医療応用」
岡 潔氏 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構(福井大学附属国際原子力工学研究所 客員教授)
 
【紹介】
 岡潔先生は核融合炉でのメンテナンスロボットや原子炉事故時に役立つロボットの開発に携わってこられました。現在では、ロボット技術開発から生まれた光ファイバー技術を医療分野へと展開し、レーザー外科手術機能を併せ持つ光ファイバー内視鏡として、多くの人命を救うことに繋げておられます。 このセミナーでは、これまでの先生のご経験をもとに、原子力研究、特にロボット開発から光医療へと分野を展開されてこられた経緯や最先端の現状や今後の展望について、ご講演頂きます。
なお、本講演は、「放射線生物学」の講義の一環としても位置づけて開催いたします。

 

 

第114回(2018/1/18)

「最先端の原子力と災害復興から学んだこと」
  松原正典(福井大学大学院 工学研究科 福元研究室) 
「ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)で過ごした3ヶ月」
  杉野友哉(福井大学大学院 工学研究科 泉研究室) 
 
【紹介】
 松原正典氏は、「平成29 年度前期(第6期)官民協働海外留学支援制度 ~トビタテ!留学JAPAN 日本代表プログラム~」の助成を受けて、アメリカ合衆国 アルゴンヌ国立研究所での短期インターンシップおよびlowernine.orgでの復興ボランティアを行ってきました。今回のセミナーでは、留学先での研究内容や成果だけでなく、米国の原子力事情や最先端の研究、ニューオリンズでの復興ボランティアを通して得られた災害復興の知見などについて紹介していただきます。
 杉野友哉氏は、平成29年度公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター「国内原子力人材の国際性向上」事業の助成を受けて、ベルギー原子力研究センター(SCK・CEN)に短期留学・研修をしてきました。今回のセミナーでは、留学先での研究成果や、留学先で起こった出来事とその対処、活動を通じて得たことなどについて紹介していただきます。
学生の皆さんにはぜひとも聴講していただき、海外での活動について興味を深めていただければと願っています。

 

 

第113回(2017/12/21)

「福井県立病院 陽子線がん治療センター 出前講座」
講演者 山本 和高氏 (福井県立病院陽子線がん治療センター所長)
 
【紹介】
 福井県が推進する「陽子線がん治療」について知見を得るため、福井県立病院陽子線がん治療センター長によるセミナーを実施し事前学習とし、その後、平成30年1月20日に同センターを見学し、さらに知識を深めることを目的として開催します。講演は英語で行います。

 

 

第112回(2017/12/13)

“A dynamic model approach to Radioactive Waste Management”
Kang Wee Siang 氏(Malaysian Nuclear Agency)
 
“Comparision of civil defense, informing, and radiation monitoring systems of Japan and Ukraine. Developing approach to support decision makers of countries with nuclear industry”
Pareniuk Olena, PhD. (Radiobiology and radioecology department, National University of Life and Environmental Sciences of Ukraine.)

 

 

第111回(2017/11/21)

“Chornobyl accident: outline and modern situatio”
Pareniuk Olena, PhD. (Radiobiology and radioecology department, National University of Life and Environmental Sciences of Ukraine.)
 
【紹介】
 P. Olena氏は「公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター平成29年度海外研究者・研究生受入制度」により、10月より本研究所に外国人研修生として所属しています。

 

 

第110回(2017/11/9)

「新規制対応及び発電所恒常業務について」
河瀬 宇宙氏 (関西電力株式会社 大飯発電所原子燃料課)

【紹介】
 福井大学附属国際原子力工学研究所にて博士前期課程を修了後、関西電力株式会社に入社。大飯発電所3,4号機の新規制対応業務に従事した。本セミナーでは、その業務を通じて得た電気事業者の新規制対応について紹介する。また、現在所属する原子燃料課でのIAEA査察対応等の発電用原子炉が国際的な信用を得るために必要な保障措置業務について紹介する。
 
「福島第一原子力発電所における汚染水処理について」
松橋 和也氏(東京電量HD(株) 福島第一廃炉推進カンパニー 廃炉工事設計センター 水処理設備設計グループ)

【紹介】
 福井大学附属国際原子力工学研究所にて博士前期課程を修了後、東京電力HD株式会社に入社。福島第一廃炉推進カンパニー 廃炉工事設計センター水処理設備設計グループに着任。本セミナーでは福島第一原子力発電所での汚染水処理の役割、仕組み、装置概要、装備そして敷地内の放射線線量の現状等について紹介する。
 
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第109回(2017/11/9)

“Notification from Nuclear Operators under Nuclear Disaster”
長嶋 一史 氏(高浜発電所 安全・防災室 課長(SA/DB)兼原子炉主任技術者代行)
 
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第108回(2017/11/6)

「シビアアクシデント総合解析コードMELCORによる解析」
氷見 正司 氏(アドバンスソフト株式会社)
 
【紹介】
 氷見正司 氏は、大学時代に素粒子・原子核理論を専門とし、博士号(理学)を取得後、日本システム株式会社にて、FPエアロゾル挙動やシビアアクシデントに関わる解析コードの開発・解析に従事しておられました。また、原子力学会特別専門員会「シビアアクシデント時の格納容器内の現実的ソースターム評価」の委員も務められ、現在は、アドバンスソフト株式会社にて高度な解析・開発業務に携わっておれます。
原子力発電所におけるシビアアクシデント時に放射性物質が損傷炉心から放出されて格納容器に至るまでの挙動を理解することは、事故時の時々刻々のプラント挙動に対して適切なアクシデントマネジメント策を講じるために、また、炉心損傷を防げなかった時に敷地外へのFP放出のタイミングを把握するために極めて重要です。
本セミナーでは、シビアアクシデント総合解析コードMELCORを通して、事故時の現象を解明するために実施されている様々な実験やそれらに対する数値解析、コードの性能向上を図るためにそれらの現象を反映した解析モデルの現状について説明していただきます。
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第107回(2017/10/31)

「IAEAでの活動報告」
石井大翔 氏 (大阪大学 大学院工学研究科・博士後期課程1年)

【紹介】
 9月から10月前半にかけて私は国際原子力機関(IAEA)、外務省(国際機関人事センター、原子力協力室)をそれぞれ訪問し関係者にヒアリングを行いました。この経験を元に、インターンシップ等など、国外で活動を考える学生を対象として講演をします。訪問を通して分かった国際機関(とくにIAEA)の就職状況、現地の様子を共有します。また、他大学の大学院への進学、博士後期課程への進学を考えている学生にも、経験をお伝えできればと思います。
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第106回(2017/10/30)

「軽水炉におけるシビアアクシデントの概要-現象とその解析-」<シビアアクシデント総合解析コードTHALES2>
丸山 結 氏(国立研究開発法人 日本原子力研究開発機構(JAEA)安全研究センター リスク評価研究ディビジョン)
 
【紹介】
 丸山結 氏は、旧日本原子力研究所(現在の日本原子力研究開発機構)に入所以来、軽水炉のシビアアクシデント及び事故時熱水力に係わる研究に従事してこられました。シビアアクシデントに関する研究では、その進展過程で生じ得る溶融炉心や核分裂生成物(FP)の挙動を理解するため、さまざまな実験や解析に取り組まれるなど高度な専門知識を有しておられます。
東京電力福島第一原子力発電所の事故により、我が国においてシビアアクシデントが現実のものになりました。シビアアクシデントは、この事故からも明らかなように、公衆や環境に対して深刻な影響を及ぼすリスクを有しています。
本セミナーでは、シビアアクシデント時に原子炉圧力容器や格納容器内で生じる炉心溶融の進展やFPの移行に係わる様々な現象について概説していただきます。また、シビアアクシデントの進展を総合的に解析するコード(THALES2)を中心に、シビアアクシデントの解析やその役割について述べていただきます。
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第105回(2016/11/4)

"Nuclear reactors for space exploration"
ファン・ローイェン(福井大学附属国際原子力工学研究所 准教授)
 
"Development of a nuclear reactor for a manned moon-base"
木村 礼氏 (株式会社 東芝)

 

 

第104回(2016/11/4)

“A dynamic model approach to Radioactive Waste Management”
 Kang Wee Siang氏 (Malaysian Nuclear Agency)
 
【紹介】
 Kang Wee Siang氏は原子力安全研究協会の原子力研究交流制度により、10月より本研究所に外国人研修生として所属しています。

 

 

第103回(2017/10/13)

「原子力災害時の事業者からの情報発信と課題について」
長嶋 一史 氏(高浜発電所 安全・防災室 課長(SA/DB)兼 原子炉主任技術者代行)
 
【紹介】
 長嶋一史氏は、2001年以来、関西電力株式会社に勤務し、原子力プラント設備の保守管理、官庁対応業務などを経験し、現在は高浜発電所 安全・防災室課長として、原子力防災業務やシビアアクシデント対策などを担当しています。事故の経験を糧にする防災運用や、新たな規制に対し、再稼働した発電所を順応させていく取組みを日々行いながら、2017年4月からは福井大学附属国際原子力工学研究所・安田教授とともに、原子力災害時の情報共有に係る研究を行っています。
 原子力発電所で原子力災害が発生した場合には、発電プラントの状況を、迅速かつ適切に発信する必要があります。本講演では、福島原子力発電所事故において、福島第一、福島第二の2発電所から、どのような通報発信が行われたのか、また、事故を教訓として策定された新しい原子力災害対策指針により、通報運用はどのように改善され得るのかを、通報内容の実例をもとに紹介し、さらに対策指針で具現化された防災戦略の背景理論と、その課題に対する自身の研究アプローチについて紹介します。
 学生の皆さんにとっては、発電所立地県の住民として、また、将来のエネルギー・環境問題を担う者として、原子力災害の発生から住民防護指示までの情報の流れを、実務者から直接知ることのできるよい機会です。原子力を直接専攻しない文京キャンパスの方も、ぜひご参加いただけますよう、宜しくお願い致します。
※本セミナーは、一部を、平成29年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第102回(2017/10/12)

“VIETNAM on nuclear and radiation applications”
Tran Thi NHAN氏(ELECTRIC POWER UNIVERSITY, VIETNAM.)
 
“Influence of soil bacteria on the redistribution of radioactive elements in the environment”
Pareniuk Olena, PhD. (Radiobiology and radioecology department, National University f Life and Environmental Sciences of Ukraine)
 
【紹介】
  T. T. NHAN氏および P. Olena氏は「公益財団法人若狭湾エネルギー研究センター平成29年度海外研究者・研究生受入制度」により、10月より本研究所に外国人研修生として所属しています。

 

 

第101回(2017/9/25)

「軽水炉シビアアクシデント時に現れる現象とその解析方法」
内藤 正則 氏(エネルギー総合工学研究所 原子力工学センター 副センター長)
木野 千晶 氏(エネルギー総合工学研究所 原子力工学センター 安全解析グループ主任研究員)
 
【紹介】
 原子力発電所において、燃料が溶融に至る過酷事故(シビアアクシデント)時には、種々の物理・化学的現象が複雑に錯綜して現れ、最悪の事態を想定すると格納容器の損傷に至ります。本講習会では、そのシビアアクシデント時の事象進展を物理・化学的現象の推移として解説し、その現象を解析するための手法を紹介します。また、エネルギー総合工学研究所が所有する解析コードSAMPSONを用いて、シビアアクシデントの事故進展解析とその操作方法を実習していただきます。

 

 

第100回(2017/8/30)

“Analysis of a dedicated MA transmutation liquid metal cooled reactor based on Thorium fuel”(英語)
マッチアス ヘルマン ネゾンデ氏 (福井大学 工学研究科 特別研究学生/INSTN)
“Radiation monitoring in emergency situation – Lessons learned from Fukushima”(英語)
チボー ポール ロジェー シャルレ氏(福井大学 工学研究科 特別研究学生/INSTN)

 

 

第99回(2017/8/2)

「原子力プラントエンジニアリングのお仕事」
水谷 匡利 氏(株式会社 原子力エンジニアリング プラントサービス本部 プラント運営グループ部長)
 
【紹介】
 水谷 匡利 氏は、平成6年3月に大阪大学大学院工学研究科原子力工学専攻を修了され、原子燃料工業株式会社に入社し、プラントエンジニアリングサービスを中心に種々業務をご担当してこられました。特に 発電所において、プラントメーカ以外でも可能な「密着型業務」を中心に従事してこられました。その後、関西電力の子会社である㈱原子力エンジニアリング(NEL)に所属し、現在はプラントサービス本部 プラント運用グループ部長としてご活躍です。2011年3/11の東日本大震災で起きた福島第一原子力発電所事故以降、各電力会社はより厳格になった規制に適合するべく、ハード面の増強はもちろんのこと、訓練や運用管理などソフト面でも日常業務が様変わりしています。その中の一例として、ハード・ソフト両面でクローズアップされた火災防護と影響評価に関する活動事例を紹介頂き、NELにおける プラントメーカ以外のエンジニアリングを展開している部分を中心に語って頂きます。

 

 

第98回(2017/7/26)

「アブダビでの体験~UAEカリファ大学での原子力工学教育~」
島津 洋一郎(附属国際原子力工学研究所 特命教授) 
 
【紹介】
 アラブ首長国連邦(UAE)では、現在4基の140万kW級原子力発電プラントを建設中であり、今年中にも1号機が臨界に達する予定である。このため、現在、国を挙げて原子力人材育成を強力に推進中である。その一環として、UAEと日本の原子力技術協定に基づき、アブダビにあるカリファ大学の原子力工学専攻に客員教授として派遣され、昨年8月中旬から9ヶ月、2学期間に渡り原子炉物理学の講義を行った。カリファ大学における原子力教育の概要と併せて、その時に見聞きし、感じたことについて紹介いたします。

 

 

第97回(2017/7/18)

「もんじゅ廃止措置におけるNa処理・処分方法の検討」
河口 宗道氏 (日本原子力研究開発機構 もんじゅ運営計画・研究開発センタープラント安全評価部 ナトリウム安全・格納容器評価Gr.)
「ナトリウム冷却高速炉における水素拡散燃焼の研究」
土井 大輔氏 (日本原子力研究開発機構 もんじゅ運営計画・研究開発センタープラント安全評価部 ナトリウム安全・格納容器評価Gr.)
「動特性解析コードSuper-COPDの妥当性確認及びシビアアクシデント解析評価の紹介」
森 健郎氏 (日本原子力研究開発機構 もんじゅ運営計画・研究開発センタープラント安全評価部 プラント安全評価Gr.)
「確率論的手法による高速炉プラントの運転操作及び 運用方法の評価に関する研究」
素都 益武氏 (日本原子力研究開発機構 もんじゅ運営計画・研究開発センタープラント安全評価部 プラント安全評価Gr.)
 
【紹介】
 高速増殖原型炉「もんじゅ」に隣接するもんじゅ運営計画・研究開発センターでは、「もんじゅ」の廃止措置の計画策定に向けた検討・評価や、高速炉の安全性向上に関する試験・解析評価を日々行っています。本日は当センターの研究者が取り組んでいる研究内容等の紹介を通して、高速炉の研究開発について関心を持って頂けたらと思います。

 

 

第96回(2017/6/16)

「留学で感じ得たこと in チェコ共和国」
長﨑優真(福井大学大学院 工学研究科 安田研究室) 
 
【紹介】
 博士前期課程の長﨑優真氏は、平成28年度文部科学省復興対策特別事業「国際原子力教育ネットワークによる戦略的原子力人材育成モデル事業」の助成を受けて、チェコ共和国 原子核物理研究所にて短期留学・研修を行ってきました。今回のセミナーでは、留学先での研究成果や、留学先で起こった出来事とその対処、活動を通じて得たことなどについて紹介していただきます。

 

 

第95回(2017/6/6)

“Nuclear Higher Education in Romania”
Dr. Gabriel Lazaro PAVEL 氏(Lecturer in University Politehnica of Bucharest)
 
【Summary】
 Romania is the only European country that uses CANDU (Canada Deuterium Uranium) technology and operates two units of this kind. CANDU type reactors use natural uranium as fuel thus the technology for fuel fabrication is simpler than one used for enriched uranium. These facts helped our country to develop the full cycle for this technology. We are producing our own fuel and our own heavy water necessary for the moderator and cooling of the reactor. Romania has also one TRIGA research reactor and some other research centres. The higher education system in Romania is also shaped to fulfill industry needs. Several Universities provide education – at different levels- and specialization courses for both for students and employees. University Politehnica of Bucharest is the only Higher Education institution in the country providing full educational process: bachelor, master and PhD.

 

 

第94回(2017/5/24)

「超臨界圧水冷却炉の材料開発について」
松井秀樹氏 (東北大学・金属材料研究所 名誉教授)
 
【紹介】
 東北大学大学院工学研究科博士課程を修了後、1987年東北大学金属材料研究所教授に就任し原子力材料工学研究部門を担当した。また、茨城県大洗町のJAEA構内に設置されている、東北大学金属材料研究所付属量子エネルギー材料科学国際研究センターにおいて、JMTRやJOYOを用いた照射研究や国際協力で海外炉での照射済み試料の受け入れと照射後試験のお世話をしてきた。自身の研究としては核融合炉構造材料候補のバナジウム合金の開発研究、軽水炉圧力容器鋼の硬化、脆化に関する研究等を行ってきた。本日の題目の超臨界圧水冷却炉(SCWR)の材料開発は東北大学時代の最後に行った研究で、経産省の補助金事業として民間企業と共同で行ったものである。東北大学を退職後は京都大学エネルギー理工学研究所で、特任教授として大学と民間企業の共同研究等の産学連携のお手伝いをする傍ら、SCWRに関する国際協力研究を続けてきた。昨年10月に京都大学を退職後も、GIF運営委員会委員として関与を続けている。
 本日の題目である超臨界圧水冷却炉は、現用のPWRの延長上にある炉型であり、蒸気温度を上げることによる熱効率の向上と、コンパクトで比較的単純な炉構成による設備費の低減により、発電コストを大幅に節減することを目的として開発が進められてきた。2007年からは第IV世代原子力開発国際フォーラム(GIF)の枠組みの元で、国際協力による研究協力が開始された。講演では研究開発の経緯、日本の概念設計について、その材料開発を中心に紹介する。我が国のGIFでの活動は3.11以来の原子力開発方針の大幅な転換により、残念ながら現在凍結状態であるが、これまでの知見と今後の展望について、特に海外での開発状況を紹介しながら触れたいと考えている。

 

 

第93回(2017/5/1)

“Common problem in the UK legacy wastes and DIY?“(英国の遺産的放射性廃棄物と日曜大工に共通する問題点?)/
Development of low-pH cement and its application: a case study in Sheffield
木下 肇氏 (シェフィールド大学 材料工学専攻固定化科学研究室 材料科学講師)
 
【紹介】
 木下肇先生は、平成13年3月に大阪大学大学院工学研究科博士後期課程原子力工学専攻を修了(学位論文:”Application of Yttria-Stabilized Zirconia Solid Solution to TRU Waste Form and Inert Matrix Fuel”)され、その後、マンチャスター大勤務を経て、平成17年からシェフィールド大の講師をしておられます。ご専門は廃棄物処理・処分ですが、現在、文科省の英知を結集した原子力科学技術・人材育成推進事業、廃炉加速化研究プログラム(日英原子力共同研究)で英国側の研究者として2件の研究に参加しておられます。
 シェフィールド大で講義を持っておられます先生が、原子力初心者の日本人向けに、英国の廃棄物事情を日本語と英語で講演していただき、その後で、ご専門の研究を英語で紹介して頂きます。

 

 

第92回(2017/3/22)

“Environmental monitoring in normal and abnormal situation”
Bich Thi Ngoc DOAN氏 (チャン フン ダオ病院、ベトナム/ 福井大学 外国人研究者)
“Using the PREPRO code for preparation of multi-group neutron cross-sections and writing a new code for calculation of neutron self-shielding and multi-scattering factors”         
Pham Ngoc Son氏 (原子力研究所原子力科学・電子工学センター、ベトナム/福井大学 外国人研究者)
Modelling of the gamma-gamma coincident spectroscopy facility of the Nuclear Research Institute in Dalat, Vietnam with the GEANT-4 code
Thang Huu HO氏 (原子力研究所原子力科学・電子工学センター、ベトナム/福井大学 外国人研究者)

 

 

第91回(2017/3/21)

「原子力・放射線関連産業界の現状(福島復興に向けて)」
佐藤 達彦 氏(日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター)
秦 和則 氏(株式会社アトックス 人事労務部)
 
【紹介】
 1984年(昭和59年)3月 東海大学工学部原子力工学科を卒業され、同年4月 株式会社原子力代行(現 アトックス)に入社。福島第一原子力発電所、技術開発、人事労務部、福島復興支社、人事労務部を歴任されました。
3.11の大震災とそれに伴う福島第一原子力発電所事故により、我が国の原子力発電所は現在3基しか稼動していない状況となっています。しかしながら、電力を安定供給し、地球温暖化を抑制するためにも今後も原子力発電所の再稼動は必須です。アトックスは、原子力発電所のメンテナンスを中心に携わってきました。福島の廃炉作業や環境修復を含め、原子力産業界の現状を簡単にご紹介します。

 

 

第90回(2017/3/15)

“Contemporary status and future perspectives of  nuclear energy in Czech Republic”
Martin Šefl 氏 (チェコ科学アカデミー 原子核物理研究所、チェコ共和国)
 
【紹介】
 チェコ共和国にて2015年に原子力発電によって生成する総エネルギー量は27TWhであり、全生成量(84TWh)の32%であった。現在チェコ共和国では、Temelín原子力発電所およびDukovany原子力発電所の2ヶ所にある6基のソビエト・デザインの原子炉で発生する電気を利用している。これらの炉型はVVER(またはWWER ― 加圧水型原子炉)である。
本セミナーでは、チェコ共和国の核エネルギーの将来と廃棄物貯蔵における地質学的な可能性について議論する。
※本セミナーは、一部を、平成28 年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

 

 

第89回(2017/3/13)

「原子力災害対策指針の基本的考えた方について」
本間 俊充氏 (国立研究開発法人日本原子力研究開発機構 安全研究センター長 兼 原子力緊急時支援・研修センター長)


【紹介】
 旧日本原子力研究所に入所以来、原子力施設に起因する公衆のリスク評価に関する研究を行ってこられた。2005年日本原子力研究開発機構安全研究センター研究主席、リスク評価・防災研究グループリーダーを兼務。2011年10月より安全研究センター長、2016年4月より原子力緊急時支援・研修センター長を兼務。現在、原子力規制委員会原子力災害事前対策等に関する検討チーム、ICRP第4委員会、IAEA防災に関する安全基準委員会、OECD/NEA放射線防護・公衆衛生委員会の各委員。ご専門は、リスク・環境影響評価、放射線防護。
本セミナーでは、原子力規制委員会の原子力災害対策指針の基本的考え方について、福島第一原子力発電所事故の教訓や国際機関(ICRP及びIAEA)の考え方、さらに安全研究センターで行った原子力防災に関する研究を交えて、ご紹介いただく。
※本セミナーは、一部を、平成28 年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。
 

 

第88回 (2017/3/3)

「京都大学原子炉実験所における試験研究用原子炉に係る新規制基準への対応」
三澤 毅氏(京都大学原子炉実験所 原子力基礎工学研究部門 教授)
佐藤 達彦 氏(日本原子力研究開発機構 原子力基礎工学研究センター)

【紹介】
 京都大学原子炉実験所はKUR(出力5MW)とKUCA(出力100W)の2つの研究用原子炉を所有している。両原子炉ともに2013年12月に施行された試験研究用等原子炉施設の新規制基準に適合させるためのソフトハード両面での対応を行ってきており、本講演ではその経過と内容について紹介する。
※本セミナーは、一部を、平成28 年度原子力人材育成等推進事業費補助金(原子力規制人材育成事業)の一環として開催いたしました。

(前年度の実績はこちら)