ご挨拶

渡辺先生が2023年3月で定年退官されて結構経ちますが,ホームページはまだ改修中です。


福井大学 工学部機械・システム工学科原子力安全工学コース,福井大学大学院 工学研究科安全社会基盤工学専攻原子力安全工学コース 熱水力研究室のホームページです。

当研究室では,原子炉内の熱流動に関する解析的・実験的研究を行っています。

  • 解析ではBest Estimateコードと呼ばれる,原子炉を1次元の流路で模擬したコード及び解析対象を詳細なメッシュで分割して解析を行う数値流体力学(CFD)コードを用いて研究を進めています。
  • データ同化と呼ばれる観測データ(実験データ)と解析データの双方を用いて,より精度の高い解析結果を求める手法の研究も行っています。
  • 高温ガス炉や核融合炉関係の熱流動の研究も進めようとしています。

詳細については右上のRESEARCHタブもしくはPAPERSタブをクリックしてください。

論文が公開されました

新しい論文

下記の論文が公開されました。Open Accessなので,どなたでもご覧になれます。

M. Ishigaki, Y. Hirose, S. Abe, T. Nagai, T. Watanabe, “Estimation of Flow Field in Natural Convection with Density Stratification by Local Ensemble Transform Kalman Filter,” Fluids, Vol. 7, 237, 2022, https://doi.org/10.3390/fluids7070237

データ同化(観測と計算データの両方を使って,解析精度を向上させる方法)を原子炉の熱流動解析に適用して,精度を上げられないかを検討しています。その第一段階として,小型の体系での自然対流挙動にデータ同化の手法の1つであるLocal Ensemble Transform Kalman Filterを適用して,解析精度を上げるための基礎的な検討を行いました。

paper 

M2の中間発表

M2の中間発表

M2の中間発表がありました。M2のみなさんお疲れさまでした。教員のみなさんもお疲れさまでした。

8/5でしたが,大雨で電車は動かない,高速も通行止めと,朝から大混乱。前日から帰れなくなった人もいたようで,本当にお疲れさまでした。

当初の予定では学生は講義室で発表,Zoomでも接続して,居室から発表を見れるようにする予定でした。あくまで発表は現地で対面メインの予定でした。

ですが,敦賀まで来れない学生がでてきたので,急遽,リモートでもちゃんと発表できるようにしました。

結果的に大きなトラブルなく発表が終わったので良かったです。 (その後,帰れない人も何人かいて,それはまた別の苦労話があったようです。。。お疲れさまでした。)

event 

新型コロナ

新型コロナウイルス

第7波。福井も連日新型コロナ陽性者の数が増加しています。

先週,子供が新型コロナに感染しました。幸い,本人もそこまでひどくならず,他の家族には感染が広がりませんでした。1週間以上自宅での引きこもり生活になりました。

food 敦賀市から送られてきた食料です。レンジであっためるご飯は12個入ってました。

みなさま,改めて,ご注意ください。

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高校模擬授業

高校で模擬授業を行いました

大学の講義がどういうものを体験していただくイベントとして,高校での模擬授業を行いました。

熱流体の初歩みたいな話をしました。そのなかで,熱した油中で見られる対流の話をしました。

その写真が下図。筋が見えるかと思います。実際は動画を撮影してて,筋が移動していきます。 実際,どのような流動パターンになってるかよくわからないので,興味ある人いたら,考えてみてください。

convection

HP更新

更新しました

ほぼ1年ぶりにホームページを更新しました。

5月の下旬ごろに大学院入試の説明会があります。

今年の桜

写真は研究所の近所に咲いてた桜です。春ですね。

sakura

photo 

冬の記録

この冬,雪積もったのは3回くらいでした。

snow1 snow2

おまけ

敦賀の駅前の新しいホテルも着々と建設が進んでいます。

hotel

photo 

論文の調べ方

これはなにか

卒研配属された学生さんが,先生や先輩から「論文探してみて」と言われたときにどうすればいいか,悩んだときようのアドバイスとして書いています。

そもそも論文をなぜ調べるのか

何かしら問題や困ってること,わからないことがあって,それに対して,研究することで,問題解決や新しい知見を発見するというのが一般的な流れです。研究する上で,世間ではどこまで分かってるのかを明らかにしておかないと,二度手間になる可能性があります。勉強している段階だと,同じことをやってみるというのも大事ですが,何が分かってて,何が分かっていないのかを知っておくのは大事なことです。

そのためにやるのが先行研究の調査(論文検索)です。

具体的な方法

いまどき,論文検索(サーベイ)はネットで検索するところから始まります。「論文 調べ方」を検索しても情報が多すぎてよくわからないので,とりあえずの方法を書きます。

まず調べたいキーワードがあったら,それをGoogleなりで検索すると思いますが,学術論文に関してはGoogle Scholar https://scholar.google.com/ で調べるほうが,まともな情報に当たると思います。試しに"LOCA nuclear"とか調べてみると,普通にGoogleで検索するのとだいぶ違うなという印象。

福井大学でも使えるWeb of Science https://www.flib.u-fukui.ac.jp/wos/wos.html も論文検索するのに便利です。論文がどれだけまともかとも調べられます。Sciece Direct https://www.sciencedirect.com はElsevier系の論文に関しては調べやすいので,結構使います。

論文の読み方

論文を調べていて,いきなり頭から全部読もうとしても挫折します。まずはアブストラクトを見て,自分の知りたいことが書いてあるかを考えます。その後,イントロとサマリーを見ます。それで,全部読もうと思ったら,最初からちゃんと読めばいいかと思います。まずはアブストラクトを読むことをおすすめします。

それでも最初はよくわからないことだらけだと思います。そもそも引用文献も見ないと,全体を理解するのは難しいので,引用文献もたどることになります。

さらに調べる

上でも書きましたが,論文は引用文献を含めて,相互に関連しています。Aさんのこの論文で,こういう問題提起や新しい手法が提案されて,それをBさんがさらに調査したとか改良したとかが延々連なることもあります。

なので,最初に読むべき論文を決めて,それを読んだあとは,それをさらに引用している論文や,逆に読んだ論文内で引用した論文等を読んで,調べる範囲を広げていくといいかと思います。芋づる式にたどるほうが,脈絡があるので,わかりやすい気がします。

補足(または個人的意見)

  • 機械学習とかの情報はQiita https://qiita.com/ とかにも情報がある。たまに論文紹介してる記事もある。
  • プログラムとか計算機関係のことなら,Stack overflowとか調べるとわかるかも。
  • はじめは辛いがTwitterで研究者をちまちまフォローしていくと,論文の情報とか見れるようになる。ちゃんとした研究者はTwitterで情報発信してるイメージがある。

インパクトファクター

論文の雑誌にはいろいろレベルがあります。インパクトファクターが高いと,有名雑誌というやつで,NatureとかScienceは40くらいあります。原子力系だとそこまでインパクトファクター高い雑誌がないので,インパクトファクターが高くないから信頼できないかという一概にそういうわけでもないです。Nucl. Eng. Des.とはインパクトファクター1ちょいですが,原子力業界の人間なら誰でも見てます。

熱音響実験

熱音響自励振動実験

去年から始めたループ管熱音響エンジンの実験ですが,ついに自励振動するようになりました!めでたい。

現状のループはこんな感じ。

engine_photo

下記はデータロガーの画面ですが,途中から振幅が増幅しているのが圧力の計測データです。振動が開始して,振幅が増大しています。

engine_graph

圧力波形をFFTかけたデータ。130Hzにピークがあり,ループ1周を1波長とするモードで発振しています。

engine_FFT

興味のある方は見学にいらしてください。

今年の会議2

国際会議など

今年は新型コロナ(COVID-19)の影響で,ほとんどの会議が中止かオンライン開催に移行しています。原子力学会はオンライン開催でした。

「日韓の熱流動の会議NTHASは当初の開催予定を変更して,2021年3月開催予定になりました。」と9月に書いたのですが,結局更に延期になって,2022年開催になりました。 https://www.nthas12.org

数値流体力学シンポも沖縄開催予定が結局オンラインのみになりました。沖縄に行けなかったのは残念です。 https://www2.nagare.or.jp/cfd/cfd34/index.html

反面,オンラインで開催のイベントが増えて,東京とか出張するのはためらわれたイベントも参加しやくなったりしました。今後もオンラインとハイブリッドでイベントをやる文化は残ってほしいです。