格納容器熱水力での凝縮モデル
シビアアクシデント時における格納容器内熱水力挙動の解析に用いられる凝縮モデルにはおおよそ2種類あります。1つは実験相関式で凝縮量を与えるモデルで,もう1つは非凝縮ガス中における水蒸気の物質拡散量から凝縮量を求めるモデルです。
2つ目の物質拡散量から凝縮量を求めるモデルを用いて,解析を行っています。そのモデルの解釈についてメモ書きを作成しました。 論文にするほどでもないので,ここで公開します。
渡辺先生が2023年3月で定年退官されました。ホームページはまだ改修中です。
福井大学 工学部機械・システム工学科原子力安全工学コース,工学研究科安全社会基盤工学専攻原子力安全工学コース 熱水力研究室のホームページです。
当研究室では,原子炉内の熱流動に関する解析的・実験的研究を行っています。
解析ではBest Estimateコードと呼ばれる,原子炉を1次元の流路で模擬したコード及び解析対象を詳細なメッシュで分割して解析を行う数値流体力学(CFD)コードを用いて研究を進めています。データ同化と呼ばれる観測データ(実験データ)と解析データの双方を用いて,より精度の高い解析結果を求める手法の研究も行っています。
詳細については右上のRESEARCHタブをクリックしてください。
シビアアクシデント時における格納容器内熱水力挙動の解析に用いられる凝縮モデルにはおおよそ2種類あります。1つは実験相関式で凝縮量を与えるモデルで,もう1つは非凝縮ガス中における水蒸気の物質拡散量から凝縮量を求めるモデルです。
2つ目の物質拡散量から凝縮量を求めるモデルを用いて,解析を行っています。そのモデルの解釈についてメモ書きを作成しました。 論文にするほどでもないので,ここで公開します。
このサイトはhugoで書いた文章をHTMLに変換して作っています。
hugoのv0.122からLaTeXの数式を変換できるようになりました。
参照 https://text.baldanders.info/remark/2024/01/tex-math-expression-in-hugo-0_122/
割と簡単に数式がかけます。\labelとかは使えないみたいですが。。。
\[ \begin{aligned} & \frac{\partial \rho}{\partial t} + \frac{\partial}{\partial x_i}(\rho u_i) = 0 \\ & \frac{\partial \rho u_j}{\partial t} + \frac{\partial}{\partial x_i}(\rho u_i u_j) = -\frac{\partial p}{\partial x_j} + \frac{\partial \tau_{ij}}{\partial x_i}\\ & \frac{\partial \rho e}{\partial t} + \frac{\partial}{\partial x_i}(\rho u_i e) = \frac{\partial}{\partial x_i}\left(k\frac{\partial T}{\partial x_i}\right) - \frac{\partial}{\partial x_i}(pu_i) + \frac{\partial}{\partial x_i}(u_j \tau_{ij}) \end{aligned} \]敦賀で開催された夏期セミナーの座長を石垣が担当してきました。 http://www.aesj.or.jp/~hatsuden/katsudou/03_other/kaki2024_info.pdf
電力会社,メーカー,研究機関から最新の状況に関する講演があり,2日目の後半は大飯原発の見学でした。色々勉強になりました。グループディスカッションも色々な意見が出て面白かったです。
福井大からはM2が2人参加しましたが,すごく勉強になるので,みんな行けばいいのになと思っています。学生は参加費無料なのにな。。。。
東京で高温ガス炉の研究会に参加し,そこから仙台の原子力学会に行き,そこから常磐線で東海村まで行って,共同研究先の古巣(JAEA安全研究センター)に行ってきました。
東北大学でした。
M2の山下さんが「格納容器雰囲気の熱流動に対する輻射伝熱モデルの影響評価」というタイトルで輻射伝熱のCFD解析について、発表しました。輻射伝熱は難しいというのがよくわかる研究です。
久しぶりに常磐線乗りました。東京から仙台までが新幹線で1.5時間に対して,常磐線特急で仙台から日立が3時間。新幹線早い。
常磐線が仙台から茨城まで復旧したのは知ってましたが,実際乗ってみて感慨深いものがありました。電車の中からも復旧した風景が見えました。
東海村では,JAEAの本部の前にできたというMirai baseに宿泊しました。朝ご飯がおいしかったです。
プログラムとかは下記に詳細があります。
https://qiita.com/ishigaki/items/914e9a93109f4ac8428f
ローレンツ方程式は熱対流をモデル化した,有名な式です。初期値がわずかに異なるだけで途中から解析結果が大きく変化する事がわかっています。 それにデータ同化を適用したのが下記です。
trueとなっているのが真の値(正解の値)で,non DAがtrueに対して初期値がわずかに異なる場合の解です。はじめのうちはtrueと重なっていますが,途中からずれてきます。DAがnon DAの結果をもとに,データ同化を適用した結果で,trueとほぼ一致するようになります。
9月に引き続き,名古屋大学で学会がありました。
「大型格納容器実験装置における自然対流による成層浸食挙動のデータ同化を用いた解析」というタイトルで石垣が発表しました。一番集中してやっている格納容器の熱流動解析にデータ同化(局所アンサンブル変換カルマンフィルタ)を適用して解析を高精度化できるかについて発表しました。現状いろいろ課題はあるんですが,ボチボチやっていきます。
S. Soma, M. Ishigaki, S. Abe, Y. Sibamoto, “Application of analytical wall functions to CFD analysis of condensation flow, Nuclear Engineering and Design,” Vol. 416, 112754, 2024, https://doi.org/10.1016/j.nucengdes.2023.112754
同僚が論文を書いてくれました。
CFDで壁での蒸気凝縮を計算するのに壁近傍で細かいメッシュを使うのが一般的です。この論文では,壁近傍の挙動を模擬するのに解析的な壁関数(Analytical wall function)を適用して,細かいメッシュを使わなくても解析できることを示しました。
名古屋大学で学会がありました。
M2の上田さんが「蒸気発生器伝熱管複数本破断(MSGTR)における破断位置の影響の検討」というタイトルでSGTRの解析について、発表しました。初めての学会で緊張してましたが、無事終わりました。(最優秀賞とったM2の中間発表より緊張してました。)
発電部会のお仕事で廃止措置の企画セッションの座長を担当しました。オーディエンスが多くて、廃炉に関する世間の関心の高さがよくわかりました。
今回の学会もいろんな人と話ができてよかったです。特にこれからの研究協力に発展しそうな感じの話もあり良かったです。
M1の山下さんが若狭湾エネルギー研究センターの支援をうけて,ドイツFZJへ留学することが決まりました。
(追記) 9月に無事ドイツに行かれました。