廃止措置の現状

廃止措置の現状

 

 原子力の平和利用が始められてから半世紀を経て、原子力発電は重要なエネルギー源とし位置付けられていますが、IAEAの統計では、これまでに建設された原子力発電所のうち、寿命、事故や経済的な理由から157基が運転を恒久停止し、廃止措置を終了したものもあります[1]。
 我が国においても、研究機関などで試験研究に用いられた幾つかの原子力施設が停止し、廃止措置が進められています[2]。原子力発電施設につて見ると、旧日本原子力研究所において動力試験炉(JPDR)の解体作業が1986-1996年に実施され、廃止措置を終了しました。我が国初の商業用原子力発電所である東海発電所は1998年に運転を停止し、2001年10月に解体届が提出され、廃止措置が進められています。また、ふげん原子力発電所は2003年に運転を停止し、2008年から廃止措置工事が進められています。
 2009年11月には浜岡原子力発電所1、2号機の廃止措置計画が認可され、廃止措置が開始されています。加えて、2015年3月には、運転期間が40年を超える5基の原子力発電所の恒久停止が、2016年3月には更に1の恒久停止が決定し、東京電力福島第一原子力発電所の6基を加えると、これから16施設で廃止措置が進められることになります。
 人材育成なども含めて廃止措置に係る産官学の取組みが必要な時代が来ています。

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[1] IAEA, PRIS (Power Reactor Information System), https://www.iaea.org/pris/
[2] 経営企画部・バックエンド推進部門:原子力施設の廃止措置及び放射性廃棄物処理処分の中期計画, JAEA-Technology 2012-028, 2012