ご挨拶

渡辺先生が2023年3月で定年退官されました。ホームページはまだ改修中です。


福井大学 工学部機械・システム工学科原子力安全工学コース,工学研究科安全社会基盤工学専攻原子力安全工学コース 熱水力研究室のホームページです。

当研究室では,原子炉内の熱流動に関する解析的・実験的研究を行っています。

解析ではBest Estimateコードと呼ばれる,原子炉を1次元の流路で模擬したコード及び解析対象を詳細なメッシュで分割して解析を行う数値流体力学(CFD)コードを用いて研究を進めています。データ同化と呼ばれる観測データ(実験データ)と解析データの双方を用いて,より精度の高い解析結果を求める手法の研究も行っています。

詳細については右上のRESEARCHタブをクリックしてください。

データ同化の例

ローレンツ方程式の解析結果にデータ同化してみる

プログラムとかは下記に詳細があります。

https://qiita.com/ishigaki/items/914e9a93109f4ac8428f

ローレンツ方程式は熱対流をモデル化した,有名な式です。初期値がわずかに異なるだけで途中から解析結果が大きく変化する事がわかっています。 それにデータ同化を適用したのが下記です。

DA

trueとなっているのが真の値(正解の値)で,non DAがtrueに対して初期値がわずかに異なる場合の解です。はじめのうちはtrueと重なっていますが,途中からずれてきます。DAがnon DAの結果をもとに,データ同化を適用した結果で,trueとほぼ一致するようになります。

論文

境界埋め込み法の適用 Yoshiyasu Hirose, Satoshi Abe, Masahiro Ishigaki, Yasuteru Sibamoto, Takashi Hibiki, Simulation of a jet flow rectified by a grating-type structure using immersed boundary methods, Progress in Nuclear Energy, Volume 169, 2024, 105085, ISSN 0149-1970, https://doi.org/10.1016/j.pnucene.2024.105085. 同僚が論文を書いてくれました。 グレーチングを通過するジェットの計算に対して境界埋め込み法を適用して,性能評価する論文です。 凝縮を伴う流れでの境界層の計測と解析 Shu Soma, Masahiro Ishigaki, Satoshi Abe, Yasuteru Sibamoto, Boundary layer measurements for validating CFD condensation model and analysis based on heat and mass transfer analogy in laminar flow condition, Nuclear Engineering and Technology, 2024, ISSN 1738-5733, https://doi. [Read More]
paper 

第37回数値流体力学シンポジウム@名大

数値流体シンポ

9月に引き続き,名古屋大学で学会がありました。2023CFD

「大型格納容器実験装置における自然対流による成層浸食挙動のデータ同化を用いた解析」というタイトルで石垣が発表しました。一番集中してやっている格納容器の熱流動解析にデータ同化(局所アンサンブル変換カルマンフィルタ)を適用して解析を高精度化できるかについて発表しました。現状いろいろ課題はあるんですが,ボチボチやっていきます。

  • 恩師の先生にも久しぶりに会えました。
  • JAEAでLETKFやってる人と情報交換できました。

論文

壁凝縮計算への壁関数適用

S. Soma, M. Ishigaki, S. Abe, Y. Sibamoto, “Application of analytical wall functions to CFD analysis of condensation flow, Nuclear Engineering and Design,” Vol. 416, 112754, 2024, https://doi.org/10.1016/j.nucengdes.2023.112754

同僚が論文を書いてくれました。

CFDで壁での蒸気凝縮を計算するのに壁近傍で細かいメッシュを使うのが一般的です。この論文では,壁近傍の挙動を模擬するのに解析的な壁関数(Analytical wall function)を適用して,細かいメッシュを使わなくても解析できることを示しました。

paper 

原子力学会秋の大会

日本原子力学会2023年 秋の大会

名古屋大学で学会がありました。2023AESJ

M2の上田さんが「蒸気発生器伝熱管複数本破断(MSGTR)における破断位置の影響の検討」というタイトルでSGTRの解析について、発表しました。初めての学会で緊張してましたが、無事終わりました。(最優秀賞とったM2の中間発表より緊張してました。)

発電部会のお仕事で廃止措置の企画セッションの座長を担当しました。オーディエンスが多くて、廃炉に関する世間の関心の高さがよくわかりました。

今回の学会もいろんな人と話ができてよかったです。特にこれからの研究協力に発展しそうな感じの話もあり良かったです。

ドイツFZJ留学

留学

M1の山下さんが若狭湾エネルギー研究センターの支援をうけて,ドイツFZJへ留学することが決まりました。

(追記) 9月に無事ドイツに行かれました。

国際 

第20回日本流体力学会中部支部講演会

第20回日本流体力学会中部支部講演会@福井

12/2に第20回日本流体力学会中部支部講演会が福井駅前のアオッサで開催されました。 http://jsfm-chubu.jpn.org/#%E8%AC%9B%E6%BC%94%E4%BC%9A20

流体力学会では,福井は中部くくりらしいです。

「自然対流のアンサンブルカルマンフィルターによるデータ同化解析」というタイトルで,データ同化に関する発表をしました。

中部支部講演会ということでお世話になった方々に多数会えました。来年の数値流体力学シンポジウムは名古屋開催という話をうかがったので,がんばって発表できるようにしたいと思います。

20thchubu 昼食。福井きてから初のそば。

日本原子力学会2022年秋の大会

日本原子力学会2022年秋の大会@茨城

9/7-9に茨城大学で日本原子力学会2022年秋の大会があり,「大型格納容器実験装置CIGMA内 熱流動解析へのデータ同化の適用-観測データの配置に関する検討―」というタイトルで発表しました。

久しぶりの原子力学会で,色んな人にあえてよかったです。

ibaraki1

ibaraki2 懐かしの日立駅前。

ibaraki3 これも日立の駅前。

ibaraki4 常陸多賀駅前。帰りは常陸多賀駅から。茨城に10年以上住んでましたが,はじめての常陸多賀駅。

オープンキャンパス

オープンキャンパス

8/9に文京キャンパスでオープンキャンパスがありました。

本当は現地で,流体の解析した動画を説明する予定だったのですが,先週の大雨で,国道,高速道路,電車が寸断されて,移動がままならないということで,敦賀に住んでいる教員は参加できなくなりました。

もし,オープンキャンパスに参加されていて,もっと知りたいという方がいらしたら,ご連絡下さい。

event 

論文が公開されました

新しい論文

下記の論文が公開されました。Open Accessなので,どなたでもご覧になれます。

M. Ishigaki, Y. Hirose, S. Abe, T. Nagai, T. Watanabe, “Estimation of Flow Field in Natural Convection with Density Stratification by Local Ensemble Transform Kalman Filter,” Fluids, Vol. 7, 237, 2022, https://doi.org/10.3390/fluids7070237

データ同化(観測と計算データの両方を使って,解析精度を向上させる方法)を原子炉の熱流動解析に適用して,精度を上げられないかを検討しています。その第一段階として,小型の体系での自然対流挙動にデータ同化の手法の1つであるLocal Ensemble Transform Kalman Filterを適用して,解析精度を上げるための基礎的な検討を行いました。

paper